7月17日、柏の葉のUDCKに、シリコンバレーの AIスタートアップ「Create.xyz」による特別ワークショップが開催され、東京大学大学院の教授、留学生、研究者、地元住民など、多様なバックグラウンドを持つ参加者たちが、最新のAI技術に触れ盛り上がりをみせました。概要はこちらから。
Create.xyzとは?
「Create.xyz」とは、コードの専門知識がなくても、言葉だけでWebサイトやアプリを開発できる革新的なAIツールです。従来の開発プロセスでは、プログラミング言語の習得や複雑なコードの記述が必要でしたが、「Create.xyz」は、これらの障壁をAIの力で取り払います。
ユーザーは、作りたいWebサイトやアプリのイメージを、まるで友人と話をするように、自然な言葉で「Create.xyz」に伝えるだけ。AIがその意図を理解し、自動的にコードを生成、デザインを調整し、あっという間に機能するプロダクトを作り上げてしまうのです。
奇跡を呼んだ、1通のDM
この奇跡のようなイベントのきっかけは、たった1通のDMでした。送り主は、「Create.xyz」創設者兼CEOのDhruv氏。スタンフォード大学院出身、GoogleやYouTubeでの輝かしい経歴を持つ彼が、日本の、しかも柏の葉でワークショップを開催することになった背景には、熱い想いと行動力があったのです。 Dhruv氏は、日々Xで教育とAIの可能性について発信していた著者に、DMを送信。
「フォローありがとう。AIと教育について力をいれているようだからメッセージしてみたんだ。Createでどんなものを作ってみたい?」
この一言が、ワークショップ開催へと繋がる、運命の歯車を回し始めました。
普段から子どもたちへのワークショップを開催している筆者は、Dhruv氏とXで繋がったことをきっかけに、彼らが開発したAIツール「Create.xyz」に強い関心を抱くようになりました。そこで、一緒に活動している東京大学大学院の留学生や研究者たちに向けて、「Create.xyz」の使い方をDhruv氏から直接レクチャーしてもらえないかと、彼に相談を持ちかけてみました。快諾してくれたDhruv氏でしたが、スケジュールの都合で一度はオンラインレクチャーがキャンセルに。それでも諦めきれなかった私は、再度日程調整の相談をしていました。
すると、Dhruv氏から思いがけないメッセージが届きます。
「来週東京に行くよ!どこか場所があれば直接レクチャーするよ!」 彼のこの行動力に驚きつつも、渡りに船とばかりに、急遽ワークショップを開催することを決意。Dhruv氏とCreateチームの来日に合わせて、わずか一週間の準備期間ながら、彼らの協力のもと、素晴らしいイベントを実現することができたのです。
熱気溢れる会場は、まさに「創造の坩堝」!
今回のワークショップでは、そんな「Create.xyz」の驚きの技術を、開発チームが参加者に直接伝授しました。参加者たちは、最初は半信半疑の様子で「Create.xyz」のデモンストレーションを見守っていました。しかし、言葉で指示を出すたびに、目の前でWebサイトが構築されていく様子に、会場からは驚きの声が上がります。
「サイトにボタンを追加して」「背景を宇宙柄にして」「お問い合わせフォームを作って」 まるで魔法の呪文のように、言葉が次々と形になっていく様は圧巻。
ワークショップでは、実際に「Create.xyz」を使って、参加者自身がWebサイトやアプリ作成で分からないことチームのメンバーに直接確認し丁寧な指導を受けておりました。プログラミング経験のない参加者も、開発チームの丁寧な指導のもと、次々と自身のアイデアを形にしていきます。
「こんな簡単にWebサイトが作れるなんて!」「まるで魔法みたい!」
会場のあちこちから、興奮と感動の声が聞かれました。
「つまらない」から飛び出した、Googleの精鋭たち
Dhruv氏と共に「Create.xyz」を開発するのは、彼に負けず劣らずの個性と才能溢れるメンバーたちです。
マサチューセッツ工科大卒、Googleという誰もが羨むようなキャリアを捨て、「つまらなかった」と一言で言い切ったCo-FounderのMarcus氏。彼を突き動かしたのは、自分のビジョンを追求したいという強い思いでした。Dhruv氏と出会い、Createの開発に情熱を注ぎ込む中で、幾度となく失敗を経験しながらも、「Just do it」の精神で乗り越えてきたといいます。そして、Createの基盤を支える敏腕エンジニア、Zobeir氏。ドイツ出身の彼は、小学生からプログラミングを始め、なんと一度起業を経験。開発した観光アプリは一度失敗に終わったものの、持ち前の明るさと粘り強さで、現在も「Create.xyz」の開発の合間を縫って、アプリの改良を続けています。
さらに、日本語堪能なPatrickさん。なんと村上春樹を愛読することで日本語を習得したという努力家だ。奥様のために韓国語も勉強中というから、そのバイタリティには脱帽。温泉好きが高じて、ハネムーンで日本に来た際には、温泉巡りを満喫したというエピソードも飛び出しました。
「誰もが創造性を解き放てる世界」へ
「Create.xyz」は、専門知識がなくても、言葉だけでWebサイトやアプリを開発できる革新的なAIツールです。ユーザーは、作りたいものをイメージし、まるで話すように「Create.xyz」に指示を出すだけで、AIが自動的にコードを生成し、デザインを調整、機能するプロダクトを生み出すことができます。
Dhruv氏は、今回のワークショップを振り返り、「日本の皆さんの熱意と創造性溢れるアイデアに感動しました。これからも、世界中の人々が創造性を発揮できるツールを開発し続けたいと思います。」と語っておりました。
「コードが分からなくても、自由にアプリやクリエイティブなツールを作れる人達を世界中に増やしたい」
そんなビジョンを掲げ、Dhruv氏はこの「Create.xyz」を立ち上げたようです。彼らが目指すのは、誰もが自分のアイデアを形にできる世界。今回のワークショップは、「Create.xyz」の持つ可能性と、Dhruv氏率いるチームの熱い想いが、参加者一人ひとりの心に響き渡る、特別な体験となりました。